「Durian(ドリアン)」




The King of Fruits.「ドリアン」は"果物の王様"としてマレーシアを始めアジアに君臨している。何とも表現しがたい強烈かつ独特な匂いの為、ドリアンは好き嫌いがはっきりと分かれる。しかし、その大きな壁を乗り越えると、絶妙にまとわりつくクリーミーな舌触り、芳醇で深い甘味が必ずや挑戦者を歓待して離さない。この国の過半数がドリアンの味に取り付かれた"ドリきち"だ。毎年、5〜7月の短いシーズンを"ドリきち"達は待ち侘び、道路脇にドリアン売りが店を開き始めると、車を乗り付けトランク一杯にドリアンを詰め込み家路を急ぐ。エンジンをかける前に必ず一個を平らげてから...。


ドリアンの原産国はマレーシアであり、その語源もマレー語だ。"堅いトゲ"という意味らしい。だから、マレーシアの人々はこの国のドリアンが世界一美味しいと信じて疑わない。タイ産のドリアンが最高だという人もいるが、そんな話をするとマレーシアの人達は口を揃えて言う。「タイのドリアンはあの強い匂いがない。なぜなら、彼らはドリアンを木から切ってしまう。マレーシアのドリアンは熟して味が良くなった頃に、自ら木を離れ落ちてくる。決して実を切り取ったりしない。香りのない果実なんて旨いわけないだろ。ドリアンの命はあの匂いなんだよ。」 ドリアンの木は20〜30mの高さがある。その高さから小さいもので1kg、大きいのになると3kg以上の堅いトゲに覆われた固まりが落ちてくるのだ。地面に突き刺さるその音は鈍く、ズッシリと体に響きわたるらしい。マレーシアの人は「ドリアンの木には目があるんだ」と言う。決して人に当たらないように実を落とすと言うのだ。「今まで落ちてくるドリアンに当たって死んだ人はいないよ!!」でも、大けがした人は多いよ!?..... ドリアンは木から落ちて24時間以内が一番美味しい。それ以上経つと実が熟しすぎて味がどんどん落ちてしまう。ドリアンはほとんどが気温の下がる夜中に落ち、それを早朝から拾い集めて出荷する。だから、産地に近ければ近い程、旨いドリアンにありつけるのだ。また、樹齢20年以上の木になるドリアンは値もはり、味も最高だそうだ。
季節に入るとドリアン売りが不思議と同じ道路脇に店を連ねる。買いに来る客は何軒も出ている店の中から"一番"の店をさがし当てようと行ったり来たり。ドリアン売りのお兄ちゃんは「これが最高だよ!! ほ〜ら見てみろ!!」と必ず一つにナイフを入れて中を見せる。 買う方はそれをじっくりと見て自分のドリアンを判断する。その目付きは真剣そのもの。納得いくものが見つかると後は計りに掛けて、3つ4つとトランクに詰め込む。それぞれが自分なりのドリアン選びの方法を持っているらしい。ちなみに私がローカルに聞いた方法は、ドリアンを手に持ち(手にトゲが食い込み中々辛いものがある)耳の近くで左右に振ってみる。中で種が動く音を感じたらOKだ。感じなかったらそれは既に熟し過ぎていてネバリが出てきている証拠。味は確実に落ちている。いい忘れたが、ドリアンは幾つかのサヤの中に2、3個の大きな種が入っており、その種の周りにはり付いたクリーム状の果肉を歯と舌ではぎ取る様にして食べるのだ。新鮮なドリアンはその果肉の表面が乾いている。だから、種が動くというのだ。もう一つの方法は殻についた3〜5cm程の幹の色。これが黒ずんでいたり、こげ茶色の物は落ちてから時間が経っているからダメなんだそうだ。そんな事を考えながら真剣にドリアンに向かうのもまた楽しい。
それからドリアンは体を熱くする作用があると言われている。その為、一度に大きい固まりを平気で2、3個食べてしまう彼らは、体を冷やすためにドリアンの殻に薄目の塩水を入れ、それを飲みながらドリアンを食べる。ドリアンの殻から出る成分が塩と混ざると体温を下げる作用があるというのだ。ついでに塩によってドリアンの甘さが一層引き立つ。また、ドリアンと同じ時期に市場に出る、 The Queen of Fruits、マンゴスチンは逆に体を冷やす効果があるので、ドリアンを食べたらマンゴスチンを食べるといいらしい。マンゴスチンは同じ店か、近くの店に必ず20〜30個位を数珠の様に縛って、軒先につるして売っている。これがまた最高に美味しい。殻は堅いが指で簡単に割れるので、パカッと割って中の白い果肉を食べる。適度な酸味と何とも言えない香り、絶妙な甘さと言うこと無しであ〜る。マンゴスチンがひとふさ30個位で大体 RM15位かな。ドリアンは殻込みで大体 RM5〜10/kg (1RM=¥45)で一個 1〜3kg位の重さが標準的。
ドリアンもマンゴスチンも5〜7月にこの地にいる人の特権!! 一年中フルーツに事欠かないマレーシアだけど、この時期はやはり最高!! 改めて幸せを感じてしまう。
そうそうドリアンはと〜ってもカロリーが高いから、食べ過ぎに注意!! 食べた量が体重に素直に跳ね返る。それから、ホテルに持ち込みはできないから、観光客の方は外で食べるしかない。"王様"とつき合うのは大変なんです。


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