「何が、ウェスタンコミュニティだ。『嘘の帝国』がっ・・」
とプーチンが吐き捨てる映像を見て、自分自身を崇高な理想の実現に突き進む「神」に域にまで持ち上げてしまっているんだろうと思った。
「西側」「自由主義」という愚衆民に壊されたかつての世界に冠たる強大なソヴィエト連邦を我が力で再興し、世界の秩序を再構築して我が崇高なる思想を持って明るく素晴らしき世界を作り直すのだ。
それこそが我が使命であり、そのためには犠牲は厭わない。
今私に反抗している愚民も結局は幸せになるのだから私は信念を曲げずに鉄の意志でやり遂げるのだ。
こうして虚ろな目であっちの世界に行ってしまったら、もう交渉や話し合いは通じない。
話し合いはお互いを人間として認めていないと成立しないから。
世界中の反戦デモも、経済制裁も、一般市民の犠牲も、国連決議も全く堪えない。
地下鉄にサリンを撒いたテロリストも自分を神に持ち上げさせていた。
戦略核を撃ち落とすのは東京だ、なんていう恐ろしい噂もある。
人間の精神は弱い。
だから専制君主は怖い。