カミさんがここ数日取り憑かれたように見入っている写真がある。
編み物の土偶。
もうこの編み物土偶に心を奪われてしまって何も手につかない。
自分で作りたいという願望はあるものの、年齢もあって老眼で手元がおぼつかないし、細かい作業を続ける根気もないと諦めている。
そこで昔息子の遥が自作のかぎ針編みでプレゼントしてくれた犬のぬいぐるみを思い出し、
「遥、お母さんにこの土偶作っておくれよ」
と後をついて回っている。
遥は「なんでよりによって土偶なの」「編み物セットなんかタイに来るとき捨ててきたよ」と取り合わない。
さて、この攻防、この先どうなるのだろう。