正義中毒

東京五輪開催にずっと反対してきたマスコミが開幕直前にどういうコメントをしているのかを見ようと今朝テレ朝のワイドショーを観ていたら 「24日、25日の二日間、テレ朝は丸ごとオリンピック!!」 という番宣がバンバン流れている中、羽鳥慎一や玉川徹が 「24日、25日は柔道など金メダルが期待できる種目目白押しですね!いい日程を引き当てましたね、テレ朝!」「ま、感染は感染としてオリンピックはオリンピックで目一杯楽しみましょう!」 と言っていてなんだか節操がない。 「オリンピックは視聴率が取れる。だけど感染者数増大も視聴率が取れる」 だから巷では感染者数より重症化患者数や死亡者数と誰もがわかっているのに頑なに感染者数のみで不安を煽る。不安は視聴率を高止まりさせるからだ。スポンサーからの広告収入はこの視聴率と連動する仕組みになっているため、1%上がるだけで何億万円も収入が増える。不安を煽らない専門家は出演させない。出演者の人事権を握るのは視聴率のみで出世と収入を競争している番組プロデューサーだからだ。 一方で、SNSメディアの「正義中毒者」たちも怖い。開幕直前で解任された音楽プロデューサーや開会式プロデューサー。過去のいじめ告白記事やホロコースト揶揄のコントネタなどが掘り返されてSNSで拡散された。もう人は人生のどこかで一回でも黒歴史作ったら最後、必ず「正義中毒者」たちに見つかって死ぬまで再起不能という恐ろしい時代になったのだろうか。そして「正義中毒者」は特に清廉潔白ぽい人に厳しい。しかし、そもそも「清廉潔白」な人間など存在しないのだ。そんな当たり前の寛容も消し去っていく。 であればむしろずっと黒やグレーであった方が生きやすい。例えば、マスコミ襲撃を行ったり数々の問題発言や事件を起こしているビートたけしが五輪プロデューサーだったとしても人々はきっと何も言わない。正義中毒者たちにとっても、たけしの黒歴史はあり過ぎて告発価値がないに違いない。 で、この正義中毒が最も発生しやすいのが日本人だとイェール大学医学大学院の研究で科学的に実証されているらしい。人間のイライラをコントロールするのはセロトニンという物質でセロトニンの量が少ない人ほど正義中毒になりやすい。日本人のセロトニントランスポーターの量を調べたところ、世界で一番少ない部類に入ることが判明したという。 新型コロナよりも正義中毒の方が怖いよ。