タイではカミさんがやっているコントラクトブリッジや麻雀(マレーシアからタイに引っ越す時に引越し業者から「麻雀牌はタイに持ち込むのは難しい」と言われて断念した)など、ゲームとして普及しているものでも
「賭博」
に利用される可能性があると判断すると取締りの対象になり、大会などを開催するには手続きや審査が厳しい。
他にもっと根本的な、解決していかなければならない課題がたくさんあるのに、多くのリソースを割く。
こういう「組織は些細な物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」現象に対して、
「パーキンソンの凡俗法則」
が当てはめられる。
その法則でよく用いられる例え話で
「原子力発電所と自転車置き場の建設」
について委員会が審議する様子を比較している。
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原子炉の建設計画は、あまりにも巨大な費用が必要で、あまりにも複雑であるため一般人には理解できない。このため一般人は、話し合っている人々は理解しているのだろうと思いこみ口を挟まない。強固な意見を持っている人が、情報が不十分だと思われないように一般人を押さえ込むことすらある。このため審議は「粛々と」進むことになる。
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この一方で、自転車置き場について話し合うときは、屋根の素材をアルミ製にするかアスベスト製にするかトタン製にするかなどの些細な話題の議論が中心となり、そもそも自転車置き場を作ること自体が良いアイデアなのかといった本質的な議論は起こらない。次に委員会の議題がコーヒーの購入といったより身近なものになった場合は、その議論はさらに白熱し、時間を最も無駄に消費する。
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自転車置き場については誰もが理解している(もしくは理解していると自分では思っている)ため、自転車置き場の設置については終わりのない議論が生じることになる。関係者の誰もが自分のアイデアを加えることによって自分の存在を誇示したがるのである。
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というもので、まあ、日本の国会中継を観ているとまさにこれだ。
未だかつて(ああ、いい議論だな)という与野党のやり取りを聞いたことがないしな。
タイや日本のクライアントでもマーケティングに関するプレゼンをすると、
「課題」「戦略の方向性」「コンセプト」
と行った基本的なロジックの部分ではさして前に乗り出して来ないが、
「チラシの色」「写真の大きさ」
といった部分には果てしなく議論の時間を使う。
そういうところを細かく指摘できることが
「仕事ができる」
と勘違いしているのだが、反面教師としてオイラのスタッフには
「ああなるなよ」
と、よく言い聞かせている。